
花顔雪膚(かがんせっぷ)という四字熟語がある。
花のように美しい顔と、雪のように白い肌。要は女性の美しさを表現したものだが、この言葉は真利子のためにあるのだと確信した。
出会い系で知り合った真利子は春日部市に住む二十八歳の家事手伝い。都内の私立女子大を卒業してしばらく商社に勤めたが、上司と強引に不倫させられ、奥さんにバレそうになったら捨てられた。真利子は寂しさと悲しさに耐えきれず退社して家にこもるようになった。四年前の出来事だ。出会い系に来たのはそんな過去を清算するためらしい。
春日部駅近所のスタバ。土曜の午後の光が真利子の美人顔をやさしく照らす。たまに笑みを浮かべると口角が上がり、美しさをひきたてる。
「新しい彼氏を探しに来たの?」
「セフレでもいいです。とにかく生まれ変わらないと」
「ひどい目に遭ったんだね」
「最悪な男でした」
セミロングのヘアはストレートで艶がある。身体を動かすとネックレスが光る。腰から尻への曲線がいい。背は高くないが小顔なのでバランスが取れている。ときどき甘い香りがただよってくると、気づかれないように鼻腔をひらいて嗅ぐ。
真利子が身体だけの関係を望むのであれば俺のニーズに合う。年下の彼女とはセックスレス。出会い系に来たのは欲求不満の解消だから、とりあえずセフレを作れたら目的は達成だ。しかしこれだけの美女ならセフレだけではもったいない。擬似恋愛でもいいから、恋人ごっこをしてみたい。
「少し散歩でもしようか。軽くデートしよう」
川沿いを歩く。決して美しくない川だが、美女と並んで歩くと鮮やかに見えるから不思議。しばらくして手をつなぐ。俺はどきどきして勃起しそうなほどだったが、真利子の横顔はさえない。手を離すと手が落ちる。真利子は自分から俺の手を握ろうとしない。これには寂しさを感じた。時間がたつにつれ、真利子の冷ややかな態度にむかつくようになった。
「ホテル行こうか」
いつまでも過去を引きずりやがって。俺を何だと思っていやがる。こうなったらむちゃくちゃ虐めてやる。
部屋に入ったら強引にベッドインした。ほとんどレイプするようにスカートをめくり、ストッキングを引きずり下ろすと、太ももを持ち上げてパンティの上からすーっと匂いを嗅ぐ。パンティ自体に香水を使っているようで、雌の匂いはしない。しかし何度も吸いこむと、快感汁がにじんでくるのか、むっとした匂いが混じる。尻に手を回し、一気にパンティを取る。
汗のせいか、丘の柔毛は横になっていた。両指で大陰唇をにゅうっと開く。濡れていて滑るので、膣口に刺しこんでから開く。すると妖しく歪み、ムンクの「叫び」の口のようになる。どんどん汁気が増し、指でなぞると汁がねっとりと指にまとわりつく。色はピンクというより少し暗みを帯びた珊瑚色、もしくは紅梅色に近い。鼻を寄せると尿の匂いに快感汁の匂いが混じる。舐めると酸っぱい。クリを舐める。今度は塩辛い。
―これが美人の膣か。すげえな―
快感のせいか、太ももの柔肌が震える。クリトリスをチュパチュパ音をたてて吸う。
「んふぅうっ! はぅっ・・・う・・・ほしい・・・」
欲しいという言葉が出たぞ。もと不倫女の本性向きだしか?
「強くしてええ」
望むところだ。かっと血が上った俺は急いでズボンを脱ぎ、ブリーフを取った。カチコチになったものが天をむいてそそり立つ。
ずぶっと生挿入。
ずこずこと突きながらブラウスのボタンをはずし、ブラを上に押し上げ乳を引っ張りだす。突きながら乳首をつまむ。突きながら乳を揉む。突きながら乳首を舐める。突きながら乳首を噛む。
「アッ、・・・アッアッ・・イ、イッちゃう・・・アウウッッッッ!」
真利子とはセフレとして付き合っている。美女との激しいセックスは、俺の欲求不満を徹底的に解消してくれている。
でも真利子はどうだろう。
セックスを楽しんではいるみたいだが、心はまだ四年前を彷徨っているようで、絶頂に達するとき誰かの名前を口走ったりする。真利子を捨てた男の名前だろうか。